「最近、涙もろくなったなぁ」
なんて思う瞬間ありませんか?
大抵の物事がそうであるように、
涙もろくなるのにも、理由があります。
この記事では、
「涙もろくなる理由」と合わせて、
「巷で言われている誤った理由」も紹介していきます。
そもそも「涙が流れる条件」って?
まず前提条件として、
「どういうときに涙が流れるのか」確認しておきましょう。
人が涙を流すのは、
「感情が大きく動いた時」です。
(目にゴミが入ったなどの物質的な理由は、
今回のテーマに関係ないので無視します)
「思い切り泣いたら、何だかすっきりした!」
という経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
これは体内に生まれたストレスホルモンが、
涙によって排出されたからです。
因みに怒り、悲しみなどのマイナス感情だけでなく、
喜び、感動などのプラスの感情もストレスになります。
嬉し涙や感動による涙があるのはこのためです。
涙もろくなる理由はいったい何か?
もともとそうではなかった人が、
涙もろくなる理由として考えられるのは、以下の3つです。
・共感力が上がった
・心が不安定になっている
・前頭葉の機能が落ちた
それぞれ詳しく説明していきます。
共感力の向上
他者の経験談を聞いたり、映画を見て泣くとき、
大抵は「相手や登場人物に感情移入している」いるものです。
(心情的に)相手の中に入り込むと、
まるで自分自身がそうなったかのような感情の揺さぶられ方をします。
他人事やフィクションでも涙をこぼして当然です。
なので共感力が高い人ほど、
対象に感情移入して、泣く可能性が高くなります。
また共感出来るかどうかには、
その人の経験も大きく影響します。
自分自身や身近な人にも似た経験があると、
より感情移入しやすくなるのです。
巷で言われることが多い、
「歳をとると涙もろくなる」という現象にも、
この経験の増加が関連しています。
精神状態による影響
人間、調子が良いときもあれば、イマイチなときもあります。
それは体調だけではなく、精神面でも同じです。
悩みを抱えているとき、失恋直後の苦しいとき、
仕事のストレスで鬱っぽくなっているときなどは、
心が不安定になりやすいものです。
また病気や更年期などの身体的な影響によって、
ホルモンバランスが崩れ、心のバランスも悪くなってしまっているケースもあるでしょう。
こうした精神が不安定な状態であれば、
当然、感情が揺れ動きやすくなります。
なので涙もろくなるというわけです。
前頭葉の機能低下による影響
大脳皮質の前頭葉には感情を抑制しコントロールする機能があります。
人間はこの前頭葉が発達しているため、
怒りや悲しみといった感情にもある程度ブレーキを踏むことが可能です。
しかし老化や怪我などによって、
この前頭葉が機能低下してしまうケースがあります。
すると今までに比べて、
怒りっぽくなったり、涙もろくなってしまうことがあるのです。
歳をとると涙もろくなるのは、
先ほど紹介した「経験による共感力の増加」以外に、
この
が関係している場合もあります。
実は違う!?涙もろくなる理由
先ほども書いたとおり、
「歳をとると涙もろくなる」というのは、
よく聞く話です。
この理由として、
「涙腺の機能が低下し緩む(ゆるむ)から」という人たちがいます。
老化によって、涙腺の制御出来なくなった結果、
涙もろくなってしまった…
なんだか説得力があるような気もしますね。
確かに歳をとると、さまざま部分が緩みますし…。
でもこれは間違いです。
何故かというと、
涙腺というのは涙を溜めたり流すための期間ではなく、涙をつくる器官だからです。
なので涙腺が機能低下すると、
目は乾きやすく(ドライアイ)なります。
実際、高齢者のなかにはドライアイに悩む方々も少なくありません。
また涙腺だけでなく「腺」という器官は、老化によって緩まないと言われています。
なので加齢によって、
涙腺が機能低下したから、涙もろくなったというのは間違いなのです。
涙がぽろぽろとこぼれたときなどに使う
「涙腺決壊」という表現は、
厳密に言うと正しくない…
ということになりますね^^;
涙は大切な機能だけれど
以上、
「涙もろくなる理由について」でした。
涙はストレス成分を排出してくれる大切な機能の1つです。
なので、涙もろくなるのは、
決して悪いことではありません。
加齢や経験の増加により、
少しずつ涙もろくなったケースや、
落ち込むような出来事が起きたあと、
一時的に涙もろくなるケースは特に問題ありません。
ただ
「頭を酷くぶつけて以来、涙もろくなった」という場合や、
「長期間、気持ちが落ち込んでいて、すぐに泣いてしまう」という場合などは、
注意が必要です。
徐々に涙もろくなってきたのでなく、
急に涙もろくなったのなら、
それは心や体からのSOSかも知れません。
場合によっては、医療機関の受診も考慮したほうが良いでしょう。