一般的なさくらんぼは、
自家受粉をしないため、
2種類以上の品種を同時に育てる必要があります。
でも、それって大変ですし、
スペースの問題で、
「1本なら大丈夫だけど、2本は…」
という方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、
1本だけで実をみのらせたい方向けに、
「自家受粉する品種」をまとめてみました。
自家受粉できる品種の紹介
ではさっそく、
自家受粉できる品種を紹介していきます!
★暖地桜桃(ダンチオウトウ・暖地さくらんぼ)
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関東より暖かい地域でも育てられる貴重な品種。
しかも自家受粉により結実する確率(自家結実率)がとても高く、
病気への耐性も高いという特徴があります。
たださくらんぼの実は小さく、
酸味が強い味なので、
どちらかというと鑑賞用です。
また開花時期・収穫時期ともに、
一般のさくらんぼよりも早く、
受粉樹として使うこともできません。
暖地桜桃は一般的なさくらんぼとは、
違う点も多いので、
こちらの記事に詳しくまとめてみました。
気になる方はチェックされてみて下さい。
★ステラ
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アメリカンチェリーの一種。
粒の大きさは中程度。
果肉は固めで、
味も日本で改良された品種たちとは違います。
暖地桜桃ほどではないですが、
暖地でも比較的育てやすく、
家庭園芸にも向き。
花粉量も多めで、
受粉樹として使うことも出来ます。
★紅きらり
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人気・注目度ともに高い新品種です。
・平均9gと粒が大きめ!
・自家受粉する!
・花粉の量が多く、
幅広い品種の受粉木にも使える!
(特に紅秀峰、紅香、さおりなどと好相性。)
・糖度が高いのに、
すっきりした甘さで美味しい!
というさまざまな魅力を持っています。
ただ紅きらりの場合、
自家結実率はそこまで高くありません。
(山形県果樹試験場の調査によれば15.5~33%程度)
なので
「1本だけでも暖地桜桃やステラと
同じくらいしっかり実る」
とは思わないほうが良いでしょう。
★さおり
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こちらも自家受粉が可能な新品種。
果実がとても大きく、
500円玉と同じくらいのサイズまで育ちます。
果汁が多く、甘みも強めなので、
食用としても悪くありません。
ただ自家結実率は紅きらりよりも更に低めです。
(山形県果樹試験場の調査によれば9.8~22.4%程度)
一応、園芸店では、
「1本だけでも受粉できる!」
ことを売りにしているところも、
よく見かけます。
でも実際のところ、
さおりくらい自家結実率が低くなると、
「一応、自家受粉できるけど、
出来れば相性の良い他品種と一緒に植えたいなぁ」
というのが本音です^^;
因みに紅きらりとさおりは、
お互いが「相性の良い受粉樹」となっています。
結局どれが良いんだろう?
日本である程度、栽培されている
自家受粉する品種は以上となります。
このなかのどれを選ぶか?
は、何を重視したいか次第です。
それぞれ一長一短ですしね。
個人的なオススメをいうのなら…
育てやすさ重視なら暖地桜桃、
味も重視したいなら紅きらりですかね。
紅きらりは受粉樹として使える幅が
とても広いので、
「やっぱりもっと美味しいさくらんぼが食べたい!
2品種以上の本格的な栽培にチャレンジしよう!」
と思ったときに、
そのまま使えるところも魅力的です。