さくらんぼの育て方のなかでも、
「受粉」はつまづきやすいポイントです。
受粉について、詳しく&わかりやすく話すとかなり長くなりますから、
当記事では受粉に関する情報のなかでも、
「受粉させる方法」にテーマを絞って解説していきます。
さくらんぼの受粉相性についてや、
自家受粉できる品種については、別の記事にまとめました。
下記リンク先をご参照下さい。
この先では、
・どんな受粉方法があるのか
・人工受粉はどうやって行うのか
・人工受粉で成功するためのポイントは?
を紹介していきます!
さくらんぼの受粉にはどんな方法がある?
さくらんぼの受粉方法は、
大きく分けると2つ。
1.自然の力で受粉をさせる
2.人工的に受粉をさせる
のどちらかになります。
自然の力で受粉させる場合は、
ミツバチなどを頼るのが一般的です。
ただ農薬や環境変化の影響で、
ミツバチは年々減ってきています。
なので果樹園でも、
手作業で人工受粉を行う、
もしくはマメコバチなどの、
受粉用に扱いやすい種類のハチを飼育したり、
ミツバチなどを借りてくるようになってきています。
(マメコバチは人を刺さないのはもちろん、
1年のうち1ヶ月程度しか活動しません。
世話もほとんど要らず、
ミツバチより管理しやすいので普及してきています。)
とはいえ…
一般家庭での栽培の場合、
わざわざ受粉用に
マメコバチを飼ったり借りたりできませんよね^^;
もちろんハチが多い地域であれば、
自然に任せる方法も有りです。
ただ、そうでない場合は、
人工受粉をしなければ、
さくらんぼがみのる確率は低いでしょう。
人工受粉の方法は?
それでは人工受粉はどのようにすれば良いのか?
開花時期が重なっているケースと、
そうではないケースに分けて、
紹介していきます。
★開花が同時期の場合
個人宅でやるのに、
もっとも手軽なのは、
毛ばたきを使う方法です。
受粉樹として使う側(雄しべから花粉を摂る側)の、
花粉を毛ばたきにつけて、
結実させたいさくらんぼの木の花に触れて下さい。
文字だけだとイメージしづらいと思うので、
こちらの動画をどうぞ。
開始30秒~1分20秒くらいの間に、
毛ばたきで受粉させている様子が映っています。
★開花時期がズレている場合
開花時期がズレている場合は、
ちょっと大変です。
先に咲くほうの花粉を採取してとっておき、
ぼんてんや受粉棒などを使い、
こすりつけてやる必要があります。
詳しいやり方は、
こちらのサイトのページが、
写真付きでわかりやすいです。
最後のほうに、
花粉を冷凍保存して、
来年使う方法も載っていますが、
「来年まで開閉しない冷凍庫にしまって下さい。」
という条件は一般家庭だと、
なかなか難しいですね^^;
また通常の花粉の保存も、
「冷蔵庫で4℃以下」とありますが、
冷蔵庫内の場所によっては、
6℃くらいまで上がることもあります。
温度変化が激しいドアの部分は避け、
出来ればチルド室に入れたほうが良いでしょう。
受粉成功率を上げる4つのポイント
さくらんぼは受粉率があまり高くないため、
人工受粉をしても必ず実るとは限りません。
なので最後に、
少しでも成功率を上げるためのポイントを、
紹介したいと思います。
★1.受粉に使う毛ばたきやぼんてんは天然素材のものを
素材が化繊だと、
静電気が起きるので受粉に向いていません。
水鳥の羽根を使った商品が人気。
また受粉棒という専用の商品もあります。
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★2.受粉率は開花後3日目までが高め!
開花後4日目以降になると、
受粉率が急速に下がってしまいます。
なので出来るだけ咲いたばかりの時に、
人工受粉を行って下さい。
★3.天気や気温も重要!
人工受粉に最適な天候は、
よく晴れていて風が弱い日、
気温は15℃~20℃程度です。
開花時期に
こういう天候の日が重なるとは限りませんが、
可能ならこういう日に実施して下さい。
★4.人工受粉は複数回しよう!
人工受粉は
1度やったら終わりではありません。
全ての花が一度に咲くわけではありませんし、
繰り返すことで受粉率の低さをカバーできます。
出来れば開花中は毎日、
少なくとも5回くらいは行うようにして下さい。
受粉させて美味しいさくらんぼを!
自家受粉しないさくらんぼは、
実らせるのもなかなか大変ですね^^;
でも成功したときの、
リターンは大きいです!
立派なさくらんぼを、
自分で育てて、採って食べる…
ワクワクしませんか?
是非、チャレンジしてみて下さいね♪