おそらくほとんどの人が、
見たことがあるだろう活あさり。
「このあさり、ペットとして飼えるのかな?」
なんて素朴な疑問を抱いたことがある方も、
いるのではないでしょうか。
結論としては…
飼えるか飼えないかでいうと「飼えます」。
(ただし弱り過ぎている個体は別)
なのでこのページでは、
実際にあさりの飼い方を解説していきます…が!
あさりって実は
飼い方が難しい生き物なんです。
なので下記の記事を
まだ読んでいない方は、
先にそちらをお読みください。
では、具体的な飼い方について、
説明していきます!
あさりの飼い方!環境作り編
まずはあさりを飼う水槽の環境作りからです!
【用意するもの】
・水槽
・底に敷く砂
あさりが潜れるくらい敷きましょう。
・エアレーション
水の中に空気を送る機械です。
・人工海水用の塩
↓こういうやつです。
|
普通の食塩はNG。
海水には塩化ナトリウム以外の
ミネラルも含まれています。
ここまでに紹介した4点は、
必ず揃えたいものです。
またあさりは水温18~20度くらいでの飼育が望ましく、
特に高温には弱い傾向があります。
環境によっては水槽用のクーラーやヒーターも
用意してください。
【環境を整備する手順】
1.水槽の底に砂を入れる
2.海水を作って入れる
3.1時間ほど海水にエアーを送る
4.あさりの生死を確認
5.生きてるあさりのみ投入
あさりの生死を確認するには、
エアーを入れた海水のなかに入れて、
少し待ってみましょう。
生きているあさりは
落ち着くと管を出してきます。
いつまでも出してこないあさりがいれば、
死んでいる可能性が高いので、
取り除きましょう。
また管を出してきたあさりのなかにも、
弱っているものが紛れている可能性があります。
なので管を指先でつついて、
反応を確かめてみて下さい。
このとき反応が鈍いものは弱ってますので、
やはり取り除くことをおすすめします。
また底砂の上に並べ、
ちゃんと潜るかどうかで、
弱っていないかどうかを確認する方法もあります。
餌は何をあげるの?
あさりの飼い方のなかでも、ここは超難関です。
もともとあさりは
海水に含まれる植物プランクトンや
デトリタスという
プランクトンの死骸、海洋生物の糞などの有機物や
そこで繁殖した微生物を取り込んで、
体内で濾し集めて食べています。
(因みに餌にならないものは、
粘液で固めて体から排出してます)
家庭用の水槽のなかで、
そういうプランクトンなどの環境を、
完璧に再現するのはなかなか難しいものです。
しかも吸い込んだものが、
本当にあさりの栄養になっているのかどうか?
身が痩せていっていないか?
これらも貝の内側に身があるせいで、
確認が困難です。
実際に飼っている人の話を調べてみると、
皆さん、試行錯誤されている様子。
餌のやり方は
大きく分けると2つで、
1つ目が
「餌が自然に発生する環境を作る方法」です。
例えば珪藻を同じ水槽で育てる、
他の海水性の生き物も飼うなどして、
微生物が自然発生する環境を作ります。
上手くいけば餌やりが不要になります…が!
あさり以外の生き物を
世話する手間が増えますし、
あさりの死んだときに気付かず水槽ごと全滅
も有り得ますので、
管理がしっかり出来る人向けです。
また環境づくりが上手くいかず、
あさりに必要なだけのプランクトンが
同じ水槽の生き物によって、
あさりが捕食される可能性
2つ目は
「普通に給餌する方法」。
あさりの場合、
こちらもこちらでなかなか難しいところがあります。
一応、あさり用というか、
二枚貝用の餌はあるにはあります。
こちらです。
二枚貝用微粒子配合飼料「M-1」
あさりでも問題なく食べられる
微粒子サイズの餌。
実際にあさり、はまぐりでの
良好な肥育効果が実証されています。
ただ一般のペットショップや通販サイトで
買えるものではありません。
ネットで取り扱っているのは、
田中三次郎商店というところですが、
まず問い合わせを受け付ける形式になっていて、販売価格が掲載されていません。
他の手段としては、
開発&販売元の日本農産工業(株)水産部に、
直接問い合わせてみるしかないでしょう。
他に気になる点としては、お値段が不確定なんですよね。
以前にM-1を取り扱っていた別の通販サイトでも
「時期によって価格は変動する」
販売価格は掲載されていませんでした。
かといって他に、
あさりなどの海産性二枚貝に向いた餌は
かなり探しても見つかりませんでした。
なので、あさりなど二枚貝専用の餌を…と考えるのなら、
これを購入することになるでしょう。
そうしない場合、あさりの管で吸えるくらい、
小さいプランクトンや
有機物のかけらを用意する必要があります。
ある方のブログでは、
クリルと呼ばれる乾燥エビを
相当細かく砕いて与えていました。
またサンゴ用であれば
植物性プランクトンを使った餌もあります。
|
こちらをあさりの餌に
使っている方もいらっしゃるようです。
ただ砕いたクリルやサンゴ用の餌に関しては、
「確かにあさりが栄養を摂取している」
といえるだけの実績報告がありません。
むしろ数ヶ月程度は生存するものの、
徐々に弱ってしまうケースが多いようです。
おそらく足りない栄養素があるのでしょう。
なのでこの記事を書いてる現在(2017年)では、
「あさりの餌が程よく発生する
生態バランスの水槽で飼う」
もしくは
「二枚貝用微粒子配合飼料 M-1をあげる」
このどちらかが良い、
という結論になります。
その他あさりを飼う上での注意点
あさりを飼ううえで、
特に怖いのは
「あさりの死骸を放置し、
水槽の生態が全滅すること」
です。
あさりは普段、砂に潜っているため、
たまに掘り出して、
「そのあと砂にちゃんと潜ろうとするかどうか」
チェックしてみて下さい。
全く潜ろうとしないあさりはもちろん、
潜るスピードがかなり遅くなったと感じるあさりも、
取り除いたほうが賢明です。
「まだ死んでないのにかわいそう」
と思うのであれば、
その個体のみの環境を用意して、
看取ってやりましょう。
それから餌のやり方で、
「餌が自然に発生する環境を作る方法」
を選んでいる場合は、
1つの水槽であさりを飼いすぎないことです。
餌となる植物性プランクトンなどが、
足りなくなる可能性があります。
水槽のサイズにもよりますが、
3~6匹程度に抑えたほうが良いでしょう。
あさりの飼い方はまだまだ不明点も多い
以上、
「あさりの飼い方」でした。
ただ記事の最初でリンクを貼った、
「あさりの飼う前に知っておいて欲しいこと」
のページにも記載したとおり、
あさりの飼い方はまだ確立されていません。
この記事で紹介した
二枚貝用微粒子配合飼料「M-1」が
販売されたのも、
あさりの完全養殖がはじまったのも、
ここ数年の話に過ぎません。
まだまだ情報が少ない分野なので、
この記事の内容も足りてない部分があると思います。
また新しい情報が入ったときは
この記事を更新する予定です。