犬が熱中症になったあと、
場合によっては後遺症が残ることもあります。
この記事では、
どういう場合に後遺症が残ってしまうのか、
またどんな症状が出るのかについて、
まとめてみました。
熱中症のあと後遺症が残るケースは?
犬はもともと
高温多湿に弱い生き物です。
熱中症になる例は珍しくありません。
それでもほとんどの場合は、
3日もあれば、もとの元気な姿に戻ります。
後遺症が残るケースのほとんどは、
熱中症への対処が遅れ、
高体温状態が長引いたケースです。
(「日の当たる車内で長く放置した」
「エアコンをつけずに
室内で留守番させていたが、
予想外に気温が上がってしまった」など…)
高体温状態では
脳の神経や体の臓器にも、
大きな負担がかかり、
長引けば長引くほど、
ダメージが蓄積していきます。
その度合いがあまりに酷いと、
熱中症自体は回復しても、
神経や臓器のダメージは回復せず、
後遺症になってしまうのです。
熱中症による後遺症の症状
後遺症により、
どのような症状が出るかは、
「どの部位にダメージが残ったか」
によって変わってきます。
部位ごとの主な症状は以下のとおりです。
■腎不全(腎障害)
熱中症による脱水症状が起きると、
血圧が下がるため、
臓器への栄養が不足していきます。
この状態が長引くと、
さまざまな臓器がダメージを受けるのですが、
なかでも腎臓は厄介です。
腎臓にダメージがいくと、
まず急性腎不全が起きます。
この段階であれば、
まだ元の元気な姿に戻るのですが、
急性腎不全から、慢性腎不全へと、
移行してしまう場合があります。
(熱中症が長引くほど、
ダメージは広がり、
慢性腎不全は腎臓の3/4以上が、
機能低下してしまった状態です)
腎臓は回復しない臓器なので、
1度、そこまでダメージを受けると、
後遺症としてずっと抱えることになります。
また慢性腎不全は
ゆっくりと進行していくため、
早めの対処が重要です。
【犬の慢性腎不全の主な症状】
初期は尿の色が薄くなる、多飲多尿。
その後、ふらつき、食欲不振、嘔吐、貧血などが現れ、
末期では尿毒症なども。
■肺炎
体温が高いと呼吸が荒くなりますが、
このとき肺や心臓には
高い負荷がかかっています。
そのため、熱中症が治ったあとも
しばらく肺炎に悩まされることがあります。
【犬の肺炎の主な症状】
動きたがらない、咳をする、
すぐに疲れてしまう、呼吸が荒い、
食欲不振など。
■心不全
肺炎の項目でも書いたとおり、
熱中症では心臓にも負荷がかかります。
そのダメージにより、
心不全になってしまう場合もあります。
問題となる部位が
心臓だということもあり、
根本的な治療は非常に困難です。
そのため症状が進みづらいようにする、
心臓への負荷を減らす工夫をしていく、
という対処になります。
【犬の心不全の主な症状】
咳、鼻水、運動を嫌がる、
進行すると失神、チアノーゼなども。
■脳障害(神経障害)
熱中症が長引き、栄養や酸素が不足すると、
脳の神経もダメージを受ける場合があります。
脳だけに影響はかなり大きく、
下手をすると、
後遺症どころか死に至ることもあるほどです。
【犬の脳障害による主な症状】
ふらつき、同じ場所を回り続ける、
首が傾いた状態になるなど、
脳のダメージを受けた部位や、程度によってさまざま。
後遺症を残さないためにも早期対処を!
(大切な家族だから)
ここまでに紹介した通り、
犬の熱中症による後遺症には、
かなり重たいものも含まれます。
大切な愛犬につらい思いをさせないためにも、
熱中症の予防・早期対応には力を入れたいものです。
特に子犬や老犬、
鼻の短い犬種、
暑さに弱い犬種などは熱中症になりやすいので、
より一層注意が必要です。
こちらの記事では、
熱中症対策に向いた飲み物も紹介しています。
よろしければ参考にされて下さい。
もし既に後遺症がでてしまっている場合は、
後悔しても始まりません。
後遺症に対しても、
対処が早ければ早いほど、
その症状を軽減できます。
愛犬のこれからの犬生が、
少しでも過ごしやすくなるよう、
サポート出来ることがいろいろあるはずです。
愛犬の現在の症状に合わせた対処が必要なので、
良い獣医さんに巡りあえるよう、
情報収集してみましょう。