「栗の育て方は?鉢植えでの栽培方法も知りたい!」
秋を代表する木の実の1つである栗。
大きな山や自然公園に行くと、
案外落ちていることもあります。
そういうところにある栗の木は大きいケースがほとんどなので、
「一般的な戸建ての庭や、ベランダでの鉢植え栽培は難しいのでは…」
と考える方々もいらっしゃるかも知れません。
しかし栗は剪定でコントロールすれば、
比較的コンパクトなサイズに抑えられますし、
鉢植えでの栽培も可能です。
この記事にて、栗の育て方(鉢植えでの栽培方法も含む)を紹介していきますので、
是非、ご覧になって下さい。
栗の育て方~植える場所・育成環境について
栗の木を植える場所・育てる場所を選ぶうえで重要なのは、
日当たりが良いところを選ぶという点です。
栗という果樹はとにかく日陰を嫌います。
日が当たらないことが原因で、枝が枯れてしまうこともあるほどです。
また日光を充分に浴びていない枝は、
花芽が出来づらいため、収穫量が少なくなってしまいます。
逆に日差しには強く、暑さにも強い傾向があるため、
しっかりと日光が当たる場所で栽培しましょう。
栗の育て方~植え付けについて
栗の植え付けですが、苗木を3月頃に植えるのがオススメです。
地植えと鉢植えで大きく変わってくるため、
分けて説明していきます。
★地植えの場合
穴は深さ60cm程度、横幅は100cm程度のものを、
事前に掘っておきましょう。
次に牛糞や鶏糞などのたい肥(10キロ)、石灰(2キロ)やヨウリン(1.5キロ)などの
肥料となるものを混ぜてから、土を埋め戻します。
そのあと、もともとの土のラインより、少し高く盛り上がるように樹を植え付けて下さい。
(俗にいう高植え状態にする)
植えたあとは、ある程度、土を踏み固めてから、
水をたっぷりとあげてましょう。
また栗の木がしっかり育つには、ある程度のスペースが必要になってきます。
複数本植える場合は、隣と6~7メートルくらい間隔を開けて下さい。
★鉢植えの場合
植木鉢のサイズは8号くらいがオススメ。
土は赤玉小粒7:腐葉土3を目安に配合したものをベースにしましょう。
水捌け、水持ちともに良い感じになります。
鉢植えでの栽培で注意したいのは根詰まりです。
2年に1度は根をほぐしたり、場合によっては一回り大きな鉢に植え替えることも検討してみて下さい。
【地植え・鉢植え共通の注意点】
・植える前に根を乾燥させないように注意!
・根の傷んだ部分は事前にカットする
・植え付けるときは根を広げて、少しずつ土をかぶせる
・後々、接ぎ木の部分が埋まってしまわないように
通常の土のラインより少し盛り上がるように植える(いわゆる高植え)。
・植え付け後は、敷きワラなどを被せ乾燥予防&支柱に軽く結びつけよう
・最後に根本から50~70センチ程度のところで切り戻す
(但し、70センチより下に芽がない場合は、芽が残るようにもう少し上でカットする)
・切り口には保護剤(カルスメイト、トップジンMペーストなど)を塗る
接ぎ木してある部分が埋まらないにようにする理由は、
そこが土に埋まると、そこから根が出てしまうケースがあるからです。
(ちなみに栗の苗はほとんどの場合、接ぎ木して作られています)
栗の育て方~剪定について
栗はあまり剪定しなくても育ち、実もなりますが、
それでもやはりある程度は剪定するに越したことはありません。
枝葉があまりに混み合うと日当たりが悪くなったり、
病害虫が発生しやすくなるという問題が出てくるからです。
またコンパクトに育てたいという方もいらっしゃるでしょう。
栗の剪定は落葉後の12月半ばから翌年の2月下旬頃までが向いています。
まず徒長枝(とちょうし・樹木の幹や太い枝から、上方向へ真っ直ぐに長く太く伸びた枝)は、
根本からバッサリとカットしてしまいましょう。
大きくしたくない場合は、枝先を詰めますがやり過ぎには注意して下さい。
栗は結果母枝(前年、充実した枝)の先端2〜3芽から、
結果枝(花や果実が着く枝)が生えるため、
そこを切ってしまうと、花芽が付かなくなるからです。
栗の剪定は突き詰めて考えていくと、なかなか難しい部分もあり、
プロでも意見が分かれることがあります。
上記の動画は栗栽培のベテランさんたちが、
剪定方法を披露&議論しながら、すすめていっている様子です。
栗の育て方~肥料について
肥料は2月頃と収穫後に与えます。
2月はこれから生育が始まる時期なので、
有機質肥料を多めに与え、新芽や花芽の増加を助けましょう。
収穫が終わったあとの肥料には、
有機質肥料の他、速効性の化成肥料もオススメです。
樹勢回復の助けになります。
また鉢植えでの育成の場合は、
5月頃にも少し肥料を足してやると良いでしょう。
栗の育て方~受粉について
栗の木の受粉については、
少しだけ複雑なので、別のページにまとめています。
上記リンク先をご覧下さい。
美味しい栗の収穫を目指そう!
以上、「栗の育て方について」でした。
栗は花の匂いが独特であったり、
イガが刺さると痛かったりと、
何かと扱いづらいところがある果樹の1つです。
しかし秋の味覚の代表格でもありますし、
成長を見るのが楽しい果樹でもあります。
まずは鉢植えでの栽培からでもチャレンジしてみて下さい。