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扇風機の風で死ぬことはある?首振り運転の場合は?【後半】

この記事は、
■扇風機の風で死ぬことはある?首振りではどう?【前半】
の続きです。

前半をお読みになっていない方は、
まず上記の記事からお読み下さいm(_ _)m

そんなことが実際に起こるの?

扇風機の前に座る猫2匹(危にゃい奴とは、思えにゃいんだけど…)

さて、前半の記事にまとめた情報を見ると、
「扇風機で人が死ぬって本当だったんだ…」と、
結論付けそうになりますよね。

でも…疑わしく思う点もあります。

まず

「1990年代以降、
扇風機の風によって死んだというニュースが、
新聞に載ることはなくなった」

ということ。

もちろん扇風機を、
使う家庭が減ったのもあるでしょう。
でも節電のために、
使っている人だって、まだいます。

なのに全然起こらなくなるなんてこと、
有り得るのでしょうか?

(もちろん「報道されていないだけ」という
可能性はぬぐえません。
因みにエアコンの触媒漏れによる死亡事故や
古い扇風機の発火による
死亡事故は掲載されています。)

ネット上でなら、

「身近な人が扇風機で死んだ」

という報告がいくつもありますが、

・創作である可能性

・全ての突然死に対して、
本格的な死因調査を行うわけではないので、
「扇風機の前にいるときに、別の要因で突然死した」のを、
「扇風機のせいで死んだ」と思い込んでいる可能性。

があるため、
どこまで真に受けて良いのかは、
微妙なところです。

これは個人的な予想ですが、
新聞も「本当の死因」は曖昧だと気付き、
報道しなくなったのではないでしょうか?

また前半の記事で挙げた
「低体温症や脱水症状によって死ぬ説」にも、
幾つか穴があります。

・極端に体が冷えたり、水分が失われると、
普通はそこで目が覚めるのではないか?

・寝たままだとしても寝返りをうつ、
扇風機を手で払うなどして、
無意識に風を避けようとするのでは?

まあ普通、目を覚ますなり、
風が当たらないよう縮こまるなり、
扇風機をなぎ倒すなりしますよね。

人間って、
無意識に自分の体を守るものですから。

もちろん、それができないような状態…
例えば、酷く衰弱していたり、
睡眠薬をかなり飲んでいたり、
極端に酔っ払っていたりするケースも
考えられなくはありません。

でもそれらの場合は
「もともとの状態に相当問題があった」わけです。

なので「扇風機のせい」と
断言できるかは微妙なところです。

・「扇風機の風で汗が蒸発し続ける」状態と、
「暑くても扇風機をつけずに、汗を掻きながら寝る」状態となら、
後者のほうが失われる水分量は多いはずだ。
それでも「扇風機のせいで脱水症状が起きた、扇風機に殺された」と言えるのか?

・加えて、汗は「暑い」と感じるから掻くもの
「寒い」と感じれば毛穴がしっかり閉じた状態(鳥肌)になる。
汗が蒸発するときに熱が奪われるのは確かだが、
低体温症になってしまうまで、
ずっと汗を掻くとは考えづらい。

冷静に考えてみると、
扇風機がなければ、
もっと汗を掻く可能性が高いはずです。
寒くなると汗は止まりますよね。

・扇風機の風によって
体の表面温度が際限なく下がり続けるなんてことは、
理論上、絶対に起こらない。

そもそも汗が蒸発するときに、
体が冷えるのは
「気化熱」という現象のためです。

水より水蒸気のほうが運動量が多いため、
たくさんのエネルギーを必要とします。
このため水は蒸発するときに
周囲からエネルギー(熱)を奪うのです。
(これが気化熱。)

別に冷風が出るわけでもない、
単にその場の空気を動かすだけの扇風機でも、
涼しくなれるのは、
この気化熱のおかげです。

奪われたエネルギーは
水分子の運動に使われるので、
これによって
室温が上がることはありません。

ただ空気中の水蒸気の量が増えるので、
湿度は上がります。
そして湿度が上がれば上がるほど、
水は蒸発しづらくなるため、
気化熱により奪われる熱も減っていくわけです。

(余談ですが、
湿度が高いと気温以上に暑く感じる…
そんな経験をしたことがある人は多いでしょう。
これは気化熱による
体温低下が起きづらいからです。)

そして湿度100%になると、
それ以上、気化が起こらなくなり、
気化熱で体温が奪われることもなくなります

このため
「際限なく気化熱で体温が下がる」
ことは有り得ません。
しかも日本の夏って、
もともと湿度が高いですよね。

こうした条件を加味すると、
扇風機での気化熱が原因で、
低体温症になるほど体温が下がり続けるとは、
ちょっと考えづらいのです。

ただもとから健康状態に問題がある人であれば、
寒さによって血管が収縮し、
脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性も、
完全には否定できません。

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あるテレビ番組による検証結果

扇風機アップ

昔、テレビ番組で、
「室温28℃、扇風機の設定は強風、
腕のみに当て続ける、人体との距離は1メートル」

という極端な条件で検証がされたときも、
体の表面温度は30℃までしか下がりませんでした。

一応、人体は33℃以下になると、
低体温症や凍死の可能性が出てきます。
しかし扇風機で冷やせるのは表面的かつ部分的であるうえ、
体の大事な器官ほど内側であることを考えると、
凍死を引き起こすような表面温度とは言えません。

とはいえ上記の実験中、被験者からは
「腕が痛い、指先の感覚がない」
という訴えがあったそうです。

なので
同条件かそれ以上で、頭部に風を当て続ける
という内容だったら、
凍死する可能性も出てくるかも知れません。

まあ扇風機から1メートルの距離で、
頭(顔)に強風を当て続けたら、
そもそも寝てられないと思いますけどね…。

首振り運転で死ぬのは相当難易度が高い

まあこのように、
扇風機によって死ぬこと自体、
健康な人であれば、ほぼ有り得ないわけです。

ましてや「首振り運転」という条件がつけば、
その可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

実際に首振り運転にしていたけど、
それでも死んでしまったという話は
聞いたことがありません。



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結論!まとめ

床置き扇風機

・確かにそういうニュースが新聞に載ったことはある。
(但し30年くらい前の話)

・夏の日本という環境下で、
気化熱により死ぬほど体温が下がるとは考えづらい。
ただ寒さによる血管縮小がキッカケで、
脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性は否定出来ない。

・とはいえ、健康状態に問題がない人なら、
目が覚める、無意識に体か扇風機の位置を変えるなどするので、
死ぬとは思えない。

・首振り運転であれば、まず死なない。

・「扇風機によって死んだ」という話は幾つかあるが、
「扇風機に当たっているときに突然死した」のは事実でも、
本当に扇風機のせいかはわからない。

ということですね。

とはいえ、
「扇風機に当たりすぎて、体調を崩した」
という例なら、たくさんあります。

また酔っ払っている人や病気で体温調整が出来ない人、
生まれたばかりの赤ちゃんなどであれば、
最悪の場合、死に至る可能性もあるでしょう。

健康のことを考えるのであれば、
風力「弱~中」くらいの首振り運転にして、
距離も2メートル以上は離しておきましょう。

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